住宅の快適性や安全性を高める方法として、電動シャッターが注目されています。手動に比べ操作が簡単で、防犯面でも信頼できる設備です。しかし、導入の際には費用やメンテナンス面での注意も欠かせません。事前に費用感や修理の際の対応を把握しておくことで、導入後の満足度にもつながります。
本記事では、電動シャッターの主な特徴や設置費用、よくある故障とその修理費用の目安、後悔しないために知っておきたいポイントなどを、初めての方にもわかりやすく整理して紹介します。
目次
電動シャッターとは?
電動シャッターは、スイッチやリモコン操作で開閉できる自動シャッターです。手動式に比べて力がいらず、ガレージや窓などに幅広く利用されています。雨の日でも濡れずに操作でき、高齢の方や体に負担をかけたくない方にも便利です。
複数シャッターを同時に操作できる製品や、決まった時間に動くタイマー付きのモデルもあり、日常生活の快適性が高まります。さらに、防犯性や静音性にも優れ、障害物を検知して止まるセンサー付きの機種も登場しています。デザインや開閉方式もさまざまで、設置場所の条件や建物の雰囲気に合わせて柔軟に選べるのも大きな魅力です。
電動シャッターのメリットとデメリット
電動シャッターには、暮らしを便利にする多くの特長がありますが、良い点ばかりではありません。実際に導入する際は、メリットとデメリットの両面をきちんと理解しておくことが大切です。
メリット
ここでは、電動シャッターのメリットを紹介します。
防犯性が向上する
電動シャッターは開閉にリモコンやスイッチを使用するため、手でこじ開けることが難しく、空き巣などの不正侵入を抑制する役割を果たします。シャッター自体が頑丈なうえ、操作部分が外から見えにくい位置にあることも多く、意図しない開放がされにくい構造です。
防犯機能が搭載されたタイプでは、自動ロックや障害物検知による強制停止など、さらなる安心が確保されます。特に外出時間が長い家庭や、深夜に帰宅することが多い方にとっては、家の安全性を日常的に高められる効果的な設備です。
リモコンで開閉できる
電動シャッターの便利な点は、開閉のために力を必要としないことです。付属のリモコンや室内の操作スイッチを押すだけで、自動的にスムーズに動作してくれます。これにより、高い位置に設置された窓や、車を降りずに操作したいガレージなどでも、ストレスなく使用することが可能です。
高齢の方や腕力に自信のない方、小さな子どもでも扱いやすく、家族全員にとって使いやすい環境を整えることができます。日々の暮らしの中で「動作が面倒」と感じる場面が減ることで、毎日の負担が軽くなります。
手動よりも静音性が高い
手動シャッターでは、金属がこすれる音や巻き上げの際の衝撃音が大きく、特に早朝や夜間の開閉の際に気を使う場面が多くあります。一方、電動シャッターはモーター駆動による滑らかな動きが特徴で、作動音もかなり控えめです。
ガラガラと響く音がしないため、隣家との距離が近い住宅街や集合住宅でも安心して使用できます。静かな動作は生活の質を高めると同時に、時間を気にせずに使用できる自由も得られます。夜勤明けや早朝出発の方には特に嬉しいポイントです。
デメリット
次に、電動シャッターのデメリットを紹介していきます。
点検やメンテナンスが必要になる
電動シャッターはモーターや制御盤などの電気部品を使っているため、使用を重ねるうちに摩耗や不具合のリスクが高まってきます。正常な動作を維持するためには、定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。
シャッターが途中で停止したり、動作音に違和感を覚えた場合には、部品の交換や調整が必要となる場合も出てきます。専門業者への依頼が必要なケースが多く、自力で解決できる範囲は限られます。快適に長く使い続けるためにも、導入後の維持管理をしっかりと見据えて準備することが大切です。
手動よりもコストがかかる
電動タイプのシャッターは、導入費用が手動式に比べて高くなる傾向があります。本体価格のほかに電気配線工事や設置工事も必要となり、その分だけ初期費用がかさみます。また、使用しているうちに部品の交換や修理が必要になると、追加の出費が避けられません。
電動化の便利さと引き換えに、経済的な負担が生じる点を事前に把握しておくべきです。見積もりの際にはしっかり比較検討し、長期的な維持に対応できる予算を確保することが望ましいです。
停電したら作動しない
電動シャッターはモーターで動作するため、電気が止まると基本的には開閉できなくなります。停電の際に外出先から帰宅してもシャッターが開かない、あるいは車がガレージに入れない状況も起こり得ます。
製品によっては内側から手動で動かせる非常用の機構がついていることもありますが、すべての機種に備わっているわけではありません。災害の際など、予期せぬ場面で困らないように、停電対策が取られたタイプを選ぶか、使用方法を事前に確認しておく必要があります。
電動シャッターを設置する値段の目安はどれくらい?
電動シャッターの導入を検討する際、最も気になるのが費用面です。本体価格だけでなく、設置方法や電気代も関係してくるため、トータルコストを理解しておくことが大切です。
新規で設置する際の値段
新しく電動シャッターを取り付ける場合、工事費込みで40万円から100万円程度が目安です。1台分の車庫であれば40〜50万円前後が一般的ですが、サイズやシャッターのタイプによって金額は大きく変動します。2台分の大型ガレージや高機能なオーバースライダー式の場合、100万円を超えるケースもあります。
さらに、デザイン性や操作性にこだわったハイグレードタイプを選ぶと、100万円以上になることも珍しくありません。シャッター自体の価格に加えて、電源工事や取り付け位置の調整が必要な場合は、その分の費用も発生します。
ガレージなどに後付けで設置する際の価格
既存の手動シャッターを電動タイプへ変更する場合は、新規取り付けに比べて費用を抑えやすくなります。既設のスラット部分を流用し、モーターを取り付ける電動化の方法であれば、全体コストはおおよそ15万円〜30万円程度に収まるのが一般的です。
ただし、シャッターの状態によっては電動化自体が難しいケースもあります。部品の劣化が進んでいたり、構造的にモーターの取り付けが困難な場合、結果的に全交換が必要となることも考えられます。事前の点検や専門業者による見積もりの確認は欠かせません。
電動シャッターの後付け価格についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
電気代
電動シャッターを導入すると、動作のたびに電力を使用するため、ランニングコストとして電気代がかかります。ただし、その消費電力は大きくなく、1度の開閉でおよそ0.02円程度に収まります。
月に数回程度の使用であれば、1ヶ月あたりの電気代はおよそ55円前後となり、日常的に使用しても100円を超えることはほとんどありません。また、動作していない待機中の電力消費も微量です。コストパフォーマンスを重視する方にとっても、気にするほどのランニングコストではないため、安心して使用できます。
電動シャッターの4つの症状別で見る修理費用の相場
電動シャッターに不具合が起きた際、修理費用がどの程度になるのかは事前に知っておきたいポイントです。症状ごとに費用の目安を把握することで、いざというときの判断がしやすくなります。
1.電動シャッターが動かない場合
突然シャッターが反応しなくなったとき、多くのケースではリモコンや制御装置、電源系統に原因があります。まず確認するべきは施錠状態とブレーカーの有無です。それでも動かない場合は、障害物センサーやリセット操作に不具合がある可能性が高くなります。
こうした場合の修理費用の目安は1万円から2万円程度ですが、スプリングシャフトの劣化が進んでいる場合は、5万円前後の交換費用が発生することもあります。長期間使用した製品では複数箇所にトラブルが起きている場合もあるため、専門業者にしっかりと診断してもらうことが大切です。
2.ボタンを押しても止まらない場合
電動シャッターが自動で止まらず、開けたままや閉じたままの状態が続くと、安全性にも関わります。この症状が出る原因の一つに、リミットスイッチの不具合があります。これはシャッターの開閉範囲を制御する部品で、正常に機能しないとシャッターが止まらなくなります。部品の調整だけで済むケースではおおよそ2万円前後で修理が可能ですが、リミッター自体が故障している場合には交換が必要となり、5万円程度の費用がかかることもあります。誤作動を防ぐためにも、早めの修理依頼が大切です。
3.シャッターが上がらない場合
シャッターが途中で止まったり、全く上がらなくなる場合には、モーターの不良やスプリングシャフトの損傷が原因として考えられます。特にモーター部分は経年劣化によってトラブルが発生しやすく、設置から10年以上経過している場合には部品交換が前提となることも少なくありません。
修理ではモーターのみの交換なら10万円前後が目安ですが、スプリングシャフトの交換も必要になれば15万円程度かかる場合もあります。どの部位が不具合の原因かを正確に特定することが、無駄な費用を抑えるポイントです。
シャッターが上がらない原因についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
4.動作しなくなった場合
全く動かなくなってしまった場合には、電源・制御盤・モーターなど、複数の部品に障害が出ている可能性があります。まずは電池切れやリモコンの異常などの基本的なチェックを行う必要がありますが、それで改善しない場合は、ヒューズ切れや基板の故障などの内部トラブルが疑われます。
制御盤の交換にはおよそ10万円程度かかるケースが多いです。ほかにもスイッチ部分や配線の不良が原因となる場合もあり、症状によっては複数箇所の修理が同時に必要になる可能性もあります。
電動シャッターの設置で後悔しないための5つのポイント
電動シャッターを快適に、安全に使い続けるためには、導入前の準備や設置後の工夫が必要です。よくある後悔を防ぐために、事前に意識すべきポイントを5つにまとめてご紹介します。
1.火災報知器を設置する
電動シャッターには電気を使うパーツが複数組み込まれており、配線やモーターの異常によって火災につながるリスクがゼロとは言い切れません。特にガレージや外部に面した部分に設置するケースでは、人の目が届きにくく異常に気づきにくい環境になりがちです。
そのため、熱や煙に反応する火災報知器を設置することで、万が一のトラブルにも素早く対応できる体制を整えておくことが大切です。市販の住宅用報知器でも十分対応でき、取り付けも比較的簡単です。安全性をより確保したい方は、電動シャッターの動作範囲近くに設置しておくと安心できます。
2.障害物検知センサーを設置する
電動シャッターはスイッチひとつで動作するため、意図せず物や人が巻き込まれてしまう事故のリスクも考えられます。開閉動作が自動化されている分、作動中に目視を怠ると危険につながりやすくなります。このようなリスクを避けるには、障害物を感知して自動停止するセンサーの設置が効果的です。
赤外線や超音波を利用したタイプが一般的で、シャッター下に物がある場合でも作動を自動でストップできます。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、こうしたセンサーの有無が安心感を大きく左右します。
3.停電時に動くか
電動シャッターは電力で動作するため、停電の際には基本的に使用できなくなります。普段はあまり意識しないかもしれませんが、いざという場面で開閉できない状況は不便で、場合によっては危険を伴うこともあります。そのため、停電の際でも手動で動かせるタイプを選んでおくと安心です。
手動解放装置が内側から操作可能か、非常用バッテリーが搭載されているかを事前に確認しておきましょう。災害や非常時の避難経路の備えとして、こうしたポイントは見落とさないことが大切です。
4.電気の配線計画を練る
電動シャッターをスムーズに使うためには、配線計画が大切なポイントとなります。どこから電源を取るか、コードをどのように這わせるかによって、使い勝手や見た目、安全性が大きく左右されるためです。特に屋外設置の場合は、雨風の影響を受けにくい場所や構造を考慮した配線が不可欠です。
コードがむき出しのままだと見た目が損なわれるだけでなく、断線や感電のリスクも高まります。設置前に配線ルートをよく検討し、必要に応じて壁内に埋設する方法も取り入れると、長期的にも安心して利用できます。
5.後付けは自分でDIYできない
コストを抑えるために電動シャッターをDIYで後付けしようと考える方もいますが、これは大きなリスクを伴います。電動シャッターの設置には電気配線工事が必要となり、作業には専門の資格が求められます。無資格で施工すると法律違反になるだけでなく、火災や感電事故を招くおそれも否めません。
また、取り付けが不十分だとシャッター本体の故障だけでなく、周囲の建材にまで悪影響が及ぶ可能性が出てきます。長く安心して使うためにも、必ず専門の施工業者に依頼し、保証が適用される方法で設置することが大切です。
電動シャッターで悩んだらまずは業者に相談しよう!
電動シャッターの故障や老朽化に悩んだら、無理に自己対応せず、プロの業者に相談するのが安心です。経験豊富な業者なら、最短30分で現場に駆けつけ、無料見積もりで状況に応じた最適な提案をしてくれます。また、施工後も1年間の保証付きで、万一のトラブルにも対応可能。
シャッター交換や修理は、コストだけでなく技術力やアフターサービスも重視することが大切です。シャッターメンテナンス大阪では、国内全メーカー対応・業界最安値でご提供しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。