住まいの快適性や安全性を高める設備として、窓シャッターへの関心が高まっています。自然災害への備えや防犯対策だけでなく、断熱性や遮光性の向上にも役立つため、多くの住宅で導入が進んでいます。
一方で、設置には費用がかかるほか、デザインや使い勝手に関する不安から導入を迷う方も少なくありません。本記事では、窓シャッターの具体的なメリットとデメリット、後付けにかかる費用の相場、そして費用を抑える工夫を詳しく解説します。
目次
窓シャッターの4つのメリット
新築の際に窓シャッターを取り付けることで、見た目の統一感を保ちつつ、機能面でも多くの利点を得られます。後付けも可能ですが、設計段階から組み込むことで、より効率的かつ効果的に快適な住環境を実現できます。
1.悪天候から窓を守ってくれる
窓シャッターは台風や暴風雨など自然災害の際に、窓ガラスや家の内部をしっかり保護する役割を果たします。強風で飛ばされた物が窓にぶつかることで起こるガラスの破損を防ぎ、室内への水や風の侵入も抑えられます。
特に横殴りの雨や飛来物の多い地域では、窓へのダメージを軽減する備えとして効果的です。また、シャッターを閉めておくことで、家全体の劣化スピードを遅らせることにもつながります。長期的に見ても、住まいの安全性や維持費用の面で導入する価値は大いにあるでしょう。
2.防犯対策になる
窓シャッターは防犯面でも効果的です。外部からの侵入経路として狙われやすい窓に対し、シャッターを設置することで侵入のハードルが格段に上がります。金属製のしっかりとした構造により、物理的に破壊するには時間と音を要し、不審者に対して強い抑止力を発揮します。
さらに、見た目の上でも防犯意識が高い家と見なされやすく、狙われにくい家の印象を与える点も大きなメリットです。特に人通りの少ない場所に面した窓には、防犯目的での導入がすすめられます。犯罪のリスクを少しでも減らしたい方にとって、信頼できる設備のひとつです。
3.断熱効果がある
窓からの熱の出入りを抑えるために、シャッターの役割は意外と大きいです。単板ガラスが使われている住宅では、窓からの熱の出入りが特に顕著で、夏は外の熱気が入り込みやすく、冬は暖房で温めた空気が逃げてしまいがちです。シャッターを閉めることで窓との間に空気層が生まれ、断熱性が向上します。
結果的に室温の安定につながり、冷暖房の効率もアップします。省エネ効果が期待でき、光熱費の削減にもつながるため、経済的にもメリットが大きいでしょう。快適さを保ちつつ、エコな暮らしを目指す方にぴったりの対策です。
4.日差しを調整できる
窓シャッターには日差しを適度にコントロールできる機能があります。夏の強い日差しを遮ることで室温の上昇を抑えられ、冷房の効率を高められます。また、西日や早朝の日差しがまぶしい部屋でも、光の量を調整することで快適な空間を維持することが可能です。
住宅の立地によっては、外灯の明かりや車のヘッドライトが室内に入り込むケースもありますが、シャッターを使えばそうした光の侵入も防げます。外からの視線が気になる場合の目隠しにも役立つため、暮らしの中で活用できる場面は多いです。日中も夜間も安心して過ごせる環境づくりに役立つ存在です。
窓シャッターについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
窓シャッターのデメリット
窓シャッターには多くのメリットがある一方で、導入にあたっては慎重に検討したい側面もあります。コストや使い勝手、外観への影響など、生活に関わるポイントを事前に把握しておくことが大切です。
取り付け費用が高い
窓シャッターの導入にあたって最初に気になるのが費用の面です。設備そのものの価格に加え、取り付け工事や電動タイプの場合は電気配線工事の費用も発生します。特に2階以上の窓に設置する場合は足場の設置費用もかかり、全体的にコストは高めになる傾向です。
シャッターの種類やサイズ、取り付ける窓の数によっては100万円を超えるケースもあります。予算を抑えたい場合は、必要な窓だけに絞ったり、手動タイプを選ぶなどの工夫が求められます。価格に見合った価値を得るためにも、事前の情報収集と見積もりの比較は欠かせません。
デザイン性が限定される
新築住宅の外観にこだわる方にとって、シャッターの存在は設計の自由度に影響を与える可能性があります。シャッターボックスを設置する必要があるため、窓の形状や配置に制限が生まれがちです。窓上部のスペース確保も前提条件となるため、大きな窓や個性的なデザインの開口部とは相性が悪いケースも見られます。
さらに、外壁の色合いや質感との調和を考慮しなければ、全体の印象がちぐはぐになる場合があります。選べる色や素材にも限りがあるため、外観とのマッチングを重視したい方には十分な検討が必要です。設計段階からシャッターの導入を考えておくことで、納得のいく住まいづくりが実現しやすくなります。
開閉の手間がかかる
防犯や断熱などの目的でシャッターを使う場合、毎日開け閉めする必要が出てきます。手動タイプの場合、窓ごとに操作しなければならないため、数が多いと作業が負担になりがちです。朝晩の忙しい時間帯にこの作業が習慣になっていないと、次第に使わなくなるケースも少なくありません。
最近では電動式も増えており、リモコン操作で簡単に開閉できるため便利ですが、導入費用が上がるほか、故障の際の対応やメンテナンスも必要になります。設置後のライフスタイルに合った運用を意識することが大切です。機能性と手間のバランスを見極めて選ぶことが求められます。
窓シャッターを後付けする際の費用相場
シャッターを後付けする場合、設置方法や種類によって費用が大きく変動します。見積もりの際には、シャッターの種類だけでなく、必要な工事内容や設置場所も考慮しておくことが大切です。
手動シャッター
手動シャッターはコストを抑えたい方にとって、比較的導入しやすい選択肢です。価格相場は6万円から16万円前後とされており、電動式に比べて工事費も抑えられる傾向があります。仕組みがシンプルなため、設置後のトラブルも少なく、修理費用がかさむ心配も少ない点が魅力です。
一方で、開閉には手動操作が伴い、毎日の使用が負担に感じられることもあります。設置前には、窓の状態によって下地補強が必要となるケースもあるため、現場確認を業者に依頼しておくと安心です。費用と利便性のバランスを考えながら選択すると、納得のいく導入につながります。
電動シャッター
電動シャッターの価格帯はおおよそ10万円から35万円と幅があります。操作がボタンひとつで行えるため、使い勝手に優れ、日常的な負担を大幅に軽減できます。モーターや電源工事が必要になるため、手動タイプよりも初期費用が高くなるのが一般的です。窓の大きさや種類、設置環境によってはさらに費用がかさむ場合も考えられます。
高機能なタイプにはリモコン操作やスマート家電との連携が可能なものもあり、利便性を重視する方にはおすすめです。ただし、故障の際の修理費用やメンテナンスの負担も念頭に置いたうえで検討しましょう。
その他の工事費用
2階以上の窓や特殊な場所に設置する場合、足場の設置費が発生することがあります。足場代は平均で2万円から6万円程度ですが、作業環境によっては高所作業車を使用することもあり、費用が変動しやすいのが特徴です。
さらに、窓の状態によっては補強材の追加や防水処理が必要となることもあり、その分工事内容が増えて見積もり金額も変わる可能性があります。外壁の材質や形状に応じた施工が必要となるため、施工業者とは事前にしっかり打ち合わせをしましょう。
窓シャッターを後付けする際にチェックするポイント
窓シャッターを後付けする前には、設置の可否や環境を丁寧に確認することが大切です。窓の形状や周辺スペース、建物の構造などを事前に把握しておくと、トラブルを避けてスムーズに設置が進められます。
窓の形状を確認する
後付けでシャッターを取り付ける際、対象となる窓の形状が適しているかは大切なチェックポイントです。一般的な引き違い窓なら問題なく設置可能ですが、外開きや出窓のように突出しているタイプは設置が難しいケースもあります。
設置にはシャッターボックスやガイドレールが必要なため、窓周辺の構造が複雑だと施工に制限が出やすい点に注意が必要です。自宅の窓が特殊な形状をしている場合は、専門業者に現地調査を依頼しましょう。取り付け可能かどうかを事前にしっかり確認することで、工事後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
設置スペースを確認する
シャッターの取り付けには、窓の周囲に十分なスペースが必要です。特に上部はシャッターボックスを設置するための空間を確保しなければならず、換気口やひさし、配線との干渉にも注意が求められます。
また、ガイドレールをしっかり固定できるスペースが窓の両側に確保できるかどうかも、設置の可否を判断する上で大切なポイントです。もしスペースに余裕がない場合、施工自体が難しくなることがあるため、目視だけで判断せず、メジャーなどで正確な寸法を測ることが不可欠です。
マンションや賃貸は設置可能か確認する
マンションや賃貸住宅で窓シャッターの設置を考えている場合は、所有者や管理組合の許可が必要です。窓や外壁部分は共用部とみなされるケースが多いため、個人の判断だけで改修工事を行うことは原則として認められていません。勝手に取り付けてしまうと、撤去を求められたり、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
工事を検討する前に、まず管理規約をよく確認し、必要な場合は正式な申請を行いましょう。さらに、取り付け後のメンテナンスに関する取り決めも確認しておくと安心です。相談の際は、図面や見積書を用意しておくと、話がスムーズに進みやすくなります。
賃貸のシャッター後付けについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
窓シャッターの取り付け方法
窓シャッターを設置する際には、自分で取り付ける方法と業者に依頼する方法があります。それぞれに費用や作業内容、リスクが異なるため、目的や状況に合わせた選択が必要です。
DIYする
DIYで窓シャッターを取り付けることは不可能ではありません。特に1階の小さな窓など、作業スペースが確保しやすく構造が単純な場合は、個人でも対応できます。必要な工具や部品はホームセンターや通販で入手可能で、作業手順の情報も動画などを通じて得られる時代です。
ただし、採寸のミスや下地の確認不足により、安全性を損なうリスクもあるため注意が必要です。2階以上の窓や高所での作業には転落の危険も伴うため、無理は禁物です。作業の難易度やリスクを考慮し、状況に応じた判断を心がけましょう。
業者に依頼する
作業の確実性や安全性を重視するなら、窓シャッターの取り付けは業者に依頼するのが安心です。専門の施工会社であれば、現地調査から商品選定、設置工事まで一貫して対応してくれるため、完成度の高い仕上がりが期待できます。設置に必要なスペースや補強の要否もプロの視点で判断してもらえるのが強みです。
足場が必要な高所での工事や電動タイプの配線作業などもスムーズに進められます。複数社から相見積もりを取ることで、おおよその費用やサービス内容の違いを比較検討できます。見積もりの内容だけでなく、対応の丁寧さや実績も比較材料として活用すると良いでしょう。
シャッターの取り付け費用を安く抑える4つのコツ
窓シャッターの導入には一定の費用がかかりますが、工夫次第でコストを抑えることも可能です。ここでは、初期費用を抑えつつ、満足のいく取り付けを実現するための4つのポイントを解説します。
1.開閉方式で選ぶ
窓シャッターには手動と電動の2種類があり、選ぶ方式によって費用が大きく変わります。手動タイプは構造がシンプルで、設置費用や本体価格を抑えられるため、コスト重視の方に向いています。一方、電動タイプは利便性が高く快適に使用できますが、モーターの価格や電気工事が必要になるため費用がかさみがちです。
毎日の使用頻度や設置場所の利便性を踏まえて、必要な機能を見極めることが節約になります。初期費用と使い勝手のバランスを考慮することで、無駄な出費を防げます。
2.シャッターの素材で選ぶ
シャッターの素材によっても価格に差が出るため、予算に応じて素材を選ぶことがポイントです。スチール製はコストが比較的安く、強度と耐久性を兼ね備えており、費用対効果の高い選択肢となります。アルミ製は軽量でサビに強い一方、価格はやや高めです。
木製のシャッターは見た目が魅力的ですが、費用が高く、メンテナンスの手間も増えます。予算を抑えつつも長く使いたい場合は、スチールやシンプルなアルミ素材を選ぶのが賢明です。外観との調和も意識しつつ、価格とのバランスを見て判断することが大切です。
3.シャッターのデザインで選ぶ
デザインにこだわりすぎると、シャッター本体の価格が高くなることがあります。装飾が少ないシンプルなタイプは比較的安価で、施工もしやすいため設置費用も抑えやすい傾向です。一方、特注デザインやカラーオーダー、細かい加工を施したシャッターは手間がかかる分、費用も上がりやすくなります。
家の外観とのバランスは大切ですが、必要以上に装飾を求めるとコストに跳ね返るため注意が必要です。基本的な機能を備えつつ、無理のない範囲でデザインを選ぶことが節約のポイントです。
4.複数業者から見積りを取る
同じ内容の工事でも、依頼する業者によって見積もり金額に大きな差が出ることがあります。ひとつの業者だけに依頼するのではなく、複数社から見積もりを取り、価格や対応、工事内容を比較することが大切です。
また、費用だけでなく、施工実績や保証内容、アフターフォローの有無にも注目することで、安心して任せられる業者を見つけやすくなります。相見積もりを取ることで、不明瞭な項目や不要な追加工事の提案に気づくこともでき、結果的に費用の無駄を省くことにもつながります。
窓シャッターでお困りなら業者に相談しよう!
窓シャッターは悪天候や防犯対策、断熱効果に優れる一方、設置費用やデザイン面で注意が必要です。後付けの際には窓の形状や設置スペース、マンションの規約など事前確認も欠かせません。DIYも可能ですが、安全・確実に取り付けるならプロに任せるのが安心です。
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