電動シャッターは、安全性や防犯性に優れた便利な設備ですが、メンテナンスを怠ると、故障や劣化が早まる原因となることもあります。本記事では、電動シャッターの耐用年数の目安や種類ごとの特徴、トラブルを防ぐためのメンテナンス方法まで、長く安心して使い続けるためのポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
電動シャッターの設計耐用年数は10~15年
電動シャッターの設計耐用年数は、一般的に10年から15年程度とされています。これはあくまで平均的な目安であり、使用頻度や設置環境、日頃のメンテナンス状況によって寿命は前後するでしょう。
たとえば、頻繁に開閉を行う場合や雨風にさらされる場所では、耐用年数に達する前に不具合が生じる可能性が高まります。こうした点からも、シャッターを安全に長く使用するためには、耐用年数を意識した管理が大切です。
電動シャッターの寿命の目安
電動シャッターの寿命は種類によって異なります。シャッター本体の構造や重量により、劣化の進行スピードが違うためです。軽量型と重量型のどちらを使用しているかを確認し、それぞれに合った点検や交換のタイミングを見極めることが大切です。シャッターの特徴を理解することで、適切な対応ができ、寿命を無理なく全うできます。
軽量電動式シャッター
軽量電動式シャッターは、一般家庭や小規模な店舗などに設置されることが多く、寿命の目安はおよそ10年とされています。構造がシンプルで部品の負担が少ないため長持ちしやすい反面、日々の使用頻度が多いと部品の摩耗が早く進行するでしょう。
たとえば、毎日開閉を繰り返す環境では、巻き取り部分やモーターに負荷が蓄積されやすく、早期に異常が出るケースもあります。また、屋外設置の場合は雨風や紫外線の影響も避けられず、錆や劣化を早める要因になります。このような背景から、耐用年数にとらわれすぎず、定期的な点検やメンテナンスを行いながら安全性を確保することが大切です。
重量電動式シャッター
重量電動式シャッターは、倉庫や工場、商業施設などで使用される大型タイプで、設計上の寿命は10年から15年が目安とされています。重たいシャッターを動かすため、モーターや制御盤、ブレーキなどの駆動部に強い力がかかり、駆動部への負担が大きくなりやすいのが特徴です。
特に、湿気の多い場所や砂ぼこりが舞いやすい環境では、内部部品の劣化が早まりやすくなります。さらに、長期間にわたってメンテナンスがされていないと、突然の故障や重大なトラブルにつながるリスクも高まるでしょう。そのため、重量型を使用している場合は定期点検の頻度を高め、早めの修理対応を心がけることが安全で長持ちする運用につながります。
電動シャッターの耐用年数を超えて使い続けるリスク
電動シャッターは、設計上の耐用年数を過ぎると不具合が発生するリスクが高まります。部品の劣化や制御機器の故障は、安全面やコスト面にも大きな影響を与えるため、注意が必要です。
突然の故障による事故のリスク
耐用年数を過ぎた電動シャッターは、部品が劣化しており、予告なく故障する可能性があります。特に、モーターやブレーキ、センサーなどの動力部分が老朽化していると、シャッターが停止中に落下する、動作途中で止まるなどの事態を招く恐れがあります。
このようなトラブルが起きると、使用者や周囲の人が大けがを負う可能性も高まるでしょう。事故を防ぐためにも、耐用年数を意識した適切な点検と更新が必要です。
修理費用増加の可能性
寿命を超えた電動シャッターは、部品の入手が困難になったり、修理に時間と費用がかかったりすることが増えてきます。また、一箇所の不具合を放置することで他の部位にも悪影響が及び、結果として複数箇所の修繕が必要になることも少なくありません。
さらに、経年劣化による再発も多いため、修理を繰り返すほどトータルコストは増大します。長期的に見ると、定期的な点検や早めの交換の方が費用対効果が高いです。
防犯性能の低下
経年劣化した電動シャッターは、防犯機能にも影響を与えます。鍵の不具合や閉まりきらない状態が発生すると、隙間からの侵入を許してしまう恐れがあり、セキュリティ上の大きな問題となります。
また、センサーやリモコンの反応が鈍くなると、緊急時の操作も遅れてしまいます。こうした防犯リスクを放置すると、被害発生時に保険の適用外となる可能性もあるため、状態が悪化する前に対応することが大切です。
建物の安全基準を満たせない・保険適用外となるリスク
シャッターが耐用年数を超えて使用されていると、建物全体が法的な安全基準を満たさなくなる可能性があります。特に商業施設や工場などでは、設備点検時に指摘されることも少なくありません。
また、故障が原因で事故が起きた場合、保険会社から「適切な管理をしていなかった」と判断され、保険金が支払われない可能性もあります。安心して設備を使い続けるためにも、定期的な点検と法的基準の確認を行いましょう。
電動シャッターを修理・交換する目安
電動シャッターは、不調のサインを見逃さずに早めに対応することが、安全とコスト面での損失を防ぐために大切です。以下のような症状が見られた場合は、修理や交換の検討をおすすめします。
シャッター開閉時に異音がする
電動シャッターの開閉時に「ガラガラ」や「ドンドン」などの音が聞こえるようであれば、修理や点検が必要です。これはスプリングやモーター部の劣化、ガイドレールの摩耗、あるいは異物の挟まりなどが多いです。
音が発生している状態で使い続けると、部品への負担が増し故障のリスクが高まります。異音に気づいたら、速やかに専門業者に相談し、状態を確認してもらうことが安全につながります。
シャッターの停止位置がずれる
シャッターが正しい位置で止まらない、途中で止まってしまうなどの症状が見られる場合は、制御系統の異常が疑われます。これはブレーキの摩耗やセンサーの故障、制御盤の誤作動などが原因で、放置すると事故やさらなる不具合を招く恐れがあります。
また、ずれたまま使用を続けることで、機械への負荷が増し寿命を縮める原因になるので注意が必要です。少しでも違和感を覚えたら、早めに修理や交換を検討しましょう。
シャッターが閉まり切らない・少し開いてしまう
完全に閉じないシャッターは、隙間から風や雨が入り込むだけでなく、防犯面でも問題が生じます。この症状はモーターの不具合や位置検知センサーの異常、もしくは巻き取り部の故障が原因であることが多いです。
閉じきらない状態が続くと、屋内への影響が大きくなるほか、シャッター自体の変形やさらなる故障につながります。正常な動作を取り戻すためには、早めのメンテナンス対応が欠かせません。
スイッチを押してもシャッターが動かない・リモコンの反応が鈍い
操作に対してシャッターが反応しない場合、制御基盤や受信機の故障が考えられるでしょう。また、スイッチの接触不良やリモコンの送信不具合も原因となることがあります。
こうした操作系のトラブルは、突然シャッターが動かなくなるリスクがあるため、業務や生活に大きな支障をきたします。応答が鈍くなったと感じた段階で、早急に専門業者へ点検を依頼し、必要に応じて修理・交換を行うことが大切です。
電動シャッターの修理・交換費用の目安
電動シャッターの修理・交換費用は、部品ごとに大きく異なります。どの部位に不具合があるかによって対応内容や費用が変わるため、あらかじめ目安を知っておくと安心です。
モーターの交換
モーターは電動シャッターの駆動源であり、故障すると開閉ができなくなります。そのため交換が必要となることも多く、費用相場はおよそ16万円からです。モーターには内蔵型や外付け型があり、構造によって工事内容も異なります。
設置場所によっては足場が必要になるなど、追加費用がかかることも少なくありません。高額ですが、シャッター機能を維持するうえで最も大切な部分であるため、異常を感じたら早めの対応が必要です。
制御盤の交換
制御盤はシャッターの動作をコントロールする役割を担っており、故障すると誤作動や動作不能に陥ることがあります。交換費用は部品代と工事費を含めて10万円前後が相場です。
制御盤の不調は、スイッチ操作が効かない、ランプが点滅するなどの症状で気づくことが多いです。状態を放置していると、モーターやセンサー類にまで影響が及ぶため、異常があれば早めに交換を検討しましょう。
押しボタンの交換
電動シャッターの操作に使用する押しボタンが反応しない場合、部品の劣化が原因と考えられます。接点の摩耗や電気的な不具合により、スイッチの効きが悪くなることがあります。交換費用は約2万円からと比較的手頃です。
ボタン部分の不具合は、防犯上のリスクにも直結するため、違和感を覚えたら放置せず修理を依頼することが大切です。小さな修理でも安心して使用を続けるためには必要な処置になります。
全体の交換
電動シャッター全体を交換する場合、費用は25万円からと高額になります。これは古いシャッターの撤去費、新品の設置費用、そして製品代をすべて含むためです。
シャッターのサイズや設置場所によって費用はさらに変動します。部分的な修理では対応しきれないほど劣化が進んでいる場合や、安全性を最優先にしたい場合には、思い切って全体を交換する判断が求められます。
電動シャッターの耐用年数より早く故障しないためのポイント
電動シャッターをできるだけ長く安全に使用するためには、日頃のメンテナンスが欠かせません。些細な汚れや摩耗も蓄積すれば大きなトラブルに発展します。定期的なお手入れを習慣化することが、耐用年数を超える前の故障防止につながります。
定期的な清掃で汚れを落とす
シャッターの寿命を延ばすには、定期的な清掃が不可欠です。外部に設置されているシャッターは、雨や埃の影響を受けやすく、汚れが蓄積するとサビや動作不良を招く恐れがあります。週に1度を目安に、水拭きや掃き掃除でガイドレールやスラットの汚れを取り除きましょう。こまめな清掃がスムーズな動作を保つために効果的です。
潤滑剤を使用する
潤滑剤を定期的に使うことで、シャッターの動きがスムーズになります。可動部分は使用を続けると摩擦が増え、金属のこすれる音や動作不良の原因となります。
特にガイドレール部分は汚れがたまりやすく、潤滑剤が効果を発揮します。掃除の後にシリコンスプレーなどを用い、数回上下させてなじませましょう。定期的な注油で故障のリスクを減らすことが可能です。
異常を感じたら早めに点検をする
電動シャッターの故障を防ぐためには、小さな異常に早く気づいて対応することが大切です。普段と異なる音や動きの違和感を見逃すと、内部部品の破損や大規模な故障に発展することがあります。
たとえば、「閉まり切らない」「途中で止まる」などの症状は、初期段階の不具合を示しています。些細な変化にも敏感になり、早めに点検を行うことが長持ちの秘訣です。
サビや汚れが発生しやすい環境ではこまめに手入れする
湿気や砂ぼこりの多い場所に設置されているシャッターは、サビや汚れが発生しやすいため、より頻繁な手入れが必要です。こうした汚れはシャッターの動作を妨げ、部品の劣化を早める原因になります。月に1回程度の水拭きやレールの掃き掃除、中性洗剤を使った清掃が効果的です。環境に応じたこまめなメンテナンスが、故障防止に直結します。
専門業者による定期点検を受ける
素人では見つけにくい不具合を早期に発見するには、専門業者による定期点検が効果的です。内部構造や電気系統のチェックはプロでなければ難しく、放置すると重大な故障につながる可能性もあります。年に一度程度の点検を目安に、専門業者に依頼することで安心して使い続けられます。長く快適に使うためにも、定期点検は大切な習慣です。
電動シャッターの耐用年数を理解し、正しく安全に使おう
電動シャッターの耐用年数は10〜15年程度ですが、メンテナンスを怠ると、突然の故障や防犯性能の低下など、思わぬリスクにつながることもあります。異音や開閉の不具合を感じたら、早めの点検・修理が大切です。定期的なお手入れでシャッターの寿命を延ばし、安心・安全な暮らしを守るためにも、適切な管理が大切です。
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